毎年仲間内で行っている「喜多方ライド」。
海の日の三連休中日の15時に喜多方駅集合というお約束だけで、あとは皆さん自由にお越しくださいというユルいのかキツいのかよくわからないイベントです。
例年東京からスタートしていたのですが、去年より京都に引っ越した私は終電の特急サンダーバードに乗って金沢から走ることにしました。
ちょうどいいところ(?)の新潟県十日町に転居した友人がいたのでそちらで一晩飲み明かして翌日福島を目指す計画です。
初日は夜通し走って金沢~富山~糸魚川~直江津~十日町で239km。日が昇ってからの灼熱地獄に苦しみましたが、どうにかお昼前には十日町にたどり着くことができました。夜は前述の友人と焼肉を食べて泥のように眠ります。
2日目は前夜にいささか飲みすぎまして予定より1時間ほど遅い6時半に出発です。まあ普通に走ればなんとかなる時間です。
十日町から魚沼へ。魚沼のコンビニで朝食を摂ってからいよいよ田子倉湖へ上りだします。
と、思ったらパンク!
どうやら細かいガラス片を踏んでしまったようで小さな穴がチューブにまで達していました。チューブ交換までは必要ないと判断したのでタイヤにはタイヤブートを張り付けて、チューブを紙やすりで研いでパッチを張ってタイヤをはめ込んで空気を入れます。その間10分程度だったかと思うのですが、あまりの暑さに汗が止まりません。目にも指先にもボタボタ汗が滴り落ちてきます。自転車に乗っているときは上りでも風をうけて身体が多少は空冷されるのですが、このパンク修理でとまっているときは命の危険を感じるほどの暑さでした。
パンク修理中にボトルの水をがぶ飲みしてしまったので、補給のために大白川の駅の自販機に立ち寄ります。ここのベンチでぶっ倒れている人がいました。なんでもランニング大会をしているそうでこの暑さでリタイヤしてしまったとのこと。大丈夫かいなと心配しましたが、すぐにスタッフの方がお迎えに来て回収されていかれました。
この暑さでランニング大会など正気の沙汰とは思えませんが、私も似たようなものです。おたがいさまで気をつけなければいけません。
田子倉湖への上りは厳しいのですが、ときどき現れるスノーシェードやトンネルが涼しくて助かりました。
重いギアを頑張って踏むとすぐに塩分不足になって脚が吊りそうになるので、軽めのギアでくるくる回して田子倉湖をクリアします。「展望台」でポイントを1つ撮影。
そこから只見までは快適な下りです。一カ所舗装工事をしている区間があってロードバイクには厳しかったのですがそこを下りきるとダム脇は気持ちのいい平坦区間。下ハンドルに持ちかえて快走します。
同じルートを通っている仲間たちを抜いて次の「蒲生岳と只見線と只見川」の橋上で2つめのポイント獲得。
その目と鼻の先にある河井継之介記念館に立ち寄ります。
私は幼少期より司馬遼太郎ファンでしたのでここは外せません。館内に移築された継之介終焉の間を眺めていると「峠」の最後のシーンが瞼裏に浮かんでくるようです。
また外に出ると司馬遼太郎揮毫「山水相応蒼龍窟」そのままの情景が目の前に広がっていて気持ちが癒されます。外は気が狂いそうに暑いのですが。
記念館をあとにして「大塩の炭酸水」をいただきました。3つ目のポイント獲得です。確かに不思議な微炭酸で冷たくて美味しかったのですがどう汲んでも小石や砂が混ざってしまいボトルに入れるのはあきらめました。
その後は仲間と合流してダメージを受けた只見線の線路跡や橋梁跡を見物しながら走っていましたが、集合時間の15時に間に合うかどうか微妙な時間帯に差し掛かってきたので、一人で先を急ぐことにします。
ポイントはもう3つ取ったのですが、念のため「大志集落を望む」でもう1つポイント獲得。
そこから残り約50kmで残り時間は約2時間20分。かなり厳しいですがこの先は真剣に回します。
最後の補給は会津栁津のコンビニ。ここでアイスクリームをたっぷり食べてクールダウンします。この時点であと20km。残り時間は50分。
会津坂下まで一気に下って北に向かいます。北からは向かい風。辛くてたまりませんが頑張って踏みます。最後の1kmほどは立ちこぎしながら真剣にスプリント。
なんとか仲間の待つ喜多方駅へ14時53分に滑りこめました。7分前。ギリギリセーフです。この日は168km走りました。
とるものもとりあえず駅で缶ビールを買って乾杯。とてつもなくビールが美味いです。
続々と到着する仲間たちをお迎えした後、着ラーということで駅前の丸見食堂に入ります。汗をかき過ぎて全身塩まみれだったので塩ラーメンを注文。ラーメンの塩分と大ジョッキの生ビールが身体に沁みわたります。
その後は毎年お世話になっている俵屋さんへチェックイン。かき氷や麦茶の用意がありがたいです。
18時からはお待ちかねの大宴会。総勢30名で生ビールや「喜多の華酒造」「大和川酒造」の地酒を飲みまくります。
宴会も盛り上がっているところでしたが中座しまして、宴会ギリギリ到着で着ラーしていない仲間と一緒に近所の「伊藤食堂」へ。煮干しのきいたスープがとても美味しかったのと、大将が御年81歳ということにも驚きました。とてもそんなご高齢に見えません。
再び宴会場に戻って日付が変わるころまで飲み続けました。
翌朝は5時半起床。喜多方のお酒は寝ざめもすっきりです。
朝ラーは確実に行列のできる「喜一」へ。開店は7時なのですが6時過ぎの時点で順番待ちの表はもう20名以上書かれています。2順ほどして8時前にようやく入ることができました。いろんなところでラーメンを食しているつもりですがここの塩は本当に美味しいです。僕はこれ以上の塩ラーメンは知りません。並んでも価値ある一杯です。「喜一」店長の息子さんが6月よりオープンしたお店があるとのことで朝からラーメン屋をはしごします。
「満喜」というお店でした。息子さんのお名前でしょうか。ここでは醤油ラーメンを注文。「喜一」とはまた違いますがこれはこれで絶品です。大盛りのあとだったので食べきれるか少し不安でしたがぺろりといけちゃいました。
俵屋さんに戻ってうとうとしたりしていると10時半過ぎ。あわてて荷物をまとめたりして帰る準備をします。仲間の多くは会津若松からのトロッコ列車で宴会しながら東京へ帰りますが、私は時間的に厳しいので郡山から新幹線で帰ります。
喜多方駅で自転車をたたんで輪行袋に入れると30分ほど時間が空きましたので、「桜井食堂」で最後の一杯をいただきました。
2日間合計で407kmのライドと5杯の喜多方ラーメンを食べまして、大満足の大満腹で喜多方を後にしました。
来年はどのルートを走ってどのラーメンを食べようかを考えながら、いまから楽しみにしています。